夢を追って会社を飛び出した結果、抑うつ症を再発させたとある20代女のお話(5)

挫折と悩み

▼前回までのお話はこちら

・夢を追って会社を飛び出した結果、抑うつ症を再発させたとある20代女のお話(1)

・夢を追って会社を飛び出した結果、抑うつ症を再発させたとある20代女のお話(2)

・夢を追って会社を飛び出した結果、抑うつ症を再発させたとある20代女のお話(3)


・夢を追って会社を飛び出した結果、抑うつ症を再発させたとある20代女のお話(3.5)~ひとやすみ・前編~


・夢を追って会社を飛び出した結果、抑うつ症を再発させたとある20代女のお話(3.5)~ひとやすみ・後編~


・夢を追って会社を飛び出した結果、抑うつ症を再発させたとある20代女のお話(4)


自分の状態を人に知られたくなかった理由

さて、やっと現在の時間軸に戻ってこれたので、1話目で書いた「こんな状況になっているのに普通に振舞っていた理由」に戻るとする。

特に「ゆっくり休む」ということをせず、あくまで健常者のように振舞って日常生活を普段通り続けていた理由。そのもう一つは、そんな状況に陥っていることを周りの人に知られるのが怖かった、というもの。

だってそんなの知られたら、みんな腫れ物に触るかのような対応するやん。そんで絶対、「え・・・あの人めっちゃ病んでるけど・・・大丈夫かね?」とか絶対言われるやん。

そう、要は「心配される」のが酷く怖かったということ。これは、親に対する思いがそのまま投影されている結果だと、今ならわかる。

周りの人が怖かった

あとは、なんでそんな状態になるまで放って置いたんだ、と怒ってくる人もいると思ったし、こんな自分を見て「あの人全然大したことないんだね、ああはなりたくないね」と言われると思ったし、「あの人最近ヤバそうだよねー・・・大丈夫かな?」とイヤな方向で居酒屋で酒の肴にでもされるんだろうとか。とにかくそんなあらぬ被害妄想ばかりが膨らんでいた。でも、

そんなセリフ、もうとっくの昔に何百回も、自分で自分にかけてきたよ。だから改めて人様から指摘されるなんて、とてもじゃないけど耐えられない。

本当はこっちの方が怖かった。

いままで散々自分を責めてきたのに、今更人に悩みを知られたところで、また同じことを人に繰り返して言われるなんて、怖ろしくてたまらなかった。それも隠しておきたかった理由の一つだと思う。(思えば今までの不調の症状が全て「見た目ではわからないこと」ばかりなのも、この私の潜在意識が反映されている気がする。湿疹や肌荒れでさえ髪で隠れる頭にしかできないんだもの)

「常に品行方正で従順で、成績優秀ないい子」であることで自分の価値を作ってきた私にとって、周りにそんな評価をされることは自分の存在意義をなくすも同然だった。

「ありのままの自分は受け入れられない」という思い込み

でも思い返せばその一方で、そんな「いい子」である私を快く思わない人も昔から一定数いたので、結局どう転んでも、学生時代から常に自分という存在を取り繕うのに必死だった気がする。

オトナに好かれるためには優秀である必要があり、クラスメートに好かれるためには平凡である必要がある。完全な板挟み状態だった。

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そんなこんなで、「自分はありのままでは周りに受け入れられない存在」というのを強く強く信じ切ってしまったんだろう。その代わり、周りが喜ぶ振る舞い、周りを安心させる振る舞いさえしていれば、そんな自分でも存在することくらいは許される。

前向きでさえいれば許してもらえる

だから、出来る限り普通に振舞った。たまにSNSやブログなんかには毒を吐いたりしてたけど、「ちょっとしんどいけどこれも人生の勉強!前向きに頑張るよーHAHAHA(´∀`)」くらいに留まるよう意識してた。そういう前向きな意思を常に持っていないと、自分は許されないと思っていたから。常に周りから自分はどう見られているかばかり気にしていた。

それに、辛いこともあるけど前向きにやってますよー!大丈夫ですよー!という顔をしていたほうが、「頑張ってるんだね!応援してるよ!」という私の望むリアクションが貰える。

決して落ちぶれすぎず、かといって成功も納めず、小さくなって生きる。そういう「できるだけ大多数の人に受け入れられるギリギリのライン」を器用に歩いてきたんだと思う。「自分は認められているという感覚」「自分はそこにいてもいいという感覚」が、それで手に入るから。

こうやって私は、自分から悩みに落ちていったのかもしれないなぁ。

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過去の書き溜めはここで終わっている。というわけで、次の記事で連載は一区切りです。

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