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・夢を追って会社を飛び出した結果、抑うつ症を再発させたとある20代女のお話(1)
・夢を追って会社を飛び出した結果、抑うつ症を再発させたとある20代女のお話(2)
焦りと不安から仕事を詰め込む泥沼期
私は、お金の不安からさらに仕事を増やした。
生演奏の場所も、レストラン、福祉施設、ウエディングなど少しずつ幅を広げた。本当は夜のお店が嫌いなのに、夜の繁華街でスナックの演奏に挑戦してみたりもした。演奏活動の幅が広がったこと自体はむしろいいことなのだけど、比例して自分の時間は奪われていく。
平行して、音楽とは関係ない派遣会社にいくつか登録して、企業のセミナーの受付をしたり、イベントでお弁当を配ってみたり、食品工場でパートのおばちゃんたちに交じって一日中お菓子を詰めたり。色んな事をやった。
こういう仕事は、自分の予定に合わせて働く日を決められるので、飲食バイトよりも融通が利いて比較的やりやすかった。
朝7時に家を出て夕方17時まで工場で働き、一旦家に帰ってから食事もそこそこに夜のスナックに繰り出して23時まで演奏する、なんて日が続く期間もあった。でも抑うつの症状が一気に出始めたのはちょうどこの頃だったな・・・
※参考にこの頃書いてたブログを置いてみる↓



完全に負のスパイラルにはまる
そこまでやっても、その時の私にはせいぜい月に12万程度しか稼ぎがなかった。というか、さっき書いたスケジュールのような生活が抑うつがぶり返している状態で毎日できるはずもなく、実際は休み休み動かざるを得なかった。しかも所詮ほとんどがバイトなので、昇級やボーナスなんかも見込めない。
「いつまでこれ続ければいいの?」
そう思って家でベッドに突っ伏して泣くことが増えた。予定が何もない日は家で寝込んでいるだけで精一杯。以前にも増して身体は疲れやすくなったし、眠れない日も増えた。
なんとかしなくちゃ、という思いばかりは募ったけど、そのときには既に体も心ももう疲れ切ってしまって「だれでもできるカンタンな仕事」くらいしか選ぶ余裕がなくなっていたんだと思う。だから昼間の仕事に派遣の日雇いという形を選んでいたのかもしれない。
結局そんな感じで、体力と時間という、今の自分にとって一番必要なものと引き換えにわずかなお金をかき集める行為を、私はずっと繰り返していた。
もっと稼がなくちゃいけない。もっと働かなくちゃいけない。けど体が思うように動かない。休まなきゃいけないのはわかってるけど、その時間が惜しい。病院に行かなくちゃいけないのはわかってるけど、そのお金が惜しい。
負のスパイラルに完全にはまってしまった。わたし一体どうしたらいいんだろう?
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