夢を追っかけてていいねー!と言われたけど、正直夢なんて見てたら音楽家なんてやってられないよ

フリーランス

来ていただいたお客様とコミュニケーションをとることも、レストランなどで演奏するピアニストのお仕事の一つ。

「ピアニスト」という存在があまり身近にいない、というのもあって、皆さん興味津々で色々質問をくださいます。

以前あるお客様とのやり取りの中で、私がどういう経緯でピアニストになったか、という事をお話したとき、「夢を追っかけてるんだねー!いいねー!」との言葉を頂きました。

その時はそのまま「ありがとうございますー♪」とニコニコ受け取ったんですけど(実際嬉しかったし嫌な気分は微塵もなかった)、家に帰った後なぜか漂うモヤモヤ感。

自分でもこれ何の感情??と当時は不思議に思ったんですが、それから色々考えてみた結果あることに行き着いたので、考えを整理するためにもここに書いてみようと思います。

私は夢じゃなくて現実を見てピアニストになった

このモヤモヤの正体を解き明かそうと考えた結果でた結論はこれ。

 

私は別に夢見てピアニストになったわけじゃないし。

 

いや、もちろん好きなことをして食べていけるようになることは夢でしたよ。今もです。

けど私は、「ピアニストになってみたいな♪」みたいなフワッとしたファンタジードリームだけをみてピアニストになったんじゃない。むしろ至極現実的な判断と行動の結果、今の私になるに至ったんだ、という自負があったからこそのモヤモヤだと気づきました。

これは私がまだSEのたまごとして会社で働いていたときの話と大きくかかわります。

ITシステムに関わる話は結構好きだし、多少の不満があったとしても会社にいればお金は入ってくるし。けど自分の人生それでほんとにいいのか!?

っと、自分の働き方や生き方について疑問を感じ、そんな自分に対する嫌悪感・ストレスからメンタルや体調も崩し、それと同時に会社の経営方針も大きく変わることになり、「これからどうするよ!?!?」みたいなことを真剣に考えなきゃいけない、みたいな時期がありました。

そこで私が真剣に悩みぬいて出した結論が「会社を辞めて、好きなピアノで勝負してみる」でした。

会社に残ることよりも、思い切って自分がやりたいことへ方向転換することの方が今の自分にとっては最良な選択だと、周りと自分の諸々の状況を見て判断したわけです。

だから、単純に「ピアノが好きだから!」といったパッションだけで行動を起こしたか、と言えばそうじゃないんですよね。だから夢を追っかけてる、といった地に足ついてない単なる夢追い人みたいな表現をされるとどこか違和感を感じるのです。(当たり前ですけど、そういう風に言ってくる人を非難したいわけじゃないです。自分の感じ方として、そう感じるだけ)

リアリストな私の生存戦略

私は自分のことを結構なリアリストだと思ってます。(実際にパーソナリティ診断みたいなやつやると、いつもそれっぽい結果がでます)

一見突飛に動いているように見えて、実は「出来そう」と未来に可能性を見出したものしか手を付けないし、やってることは全部水面下でつながってるし、やる理由もちゃんとあります。

大学生の時ににサークルで、当時は男がやるものだと一般的に思われてたボイスパーカッションをやることになったのも、たまたま子供の頃に女性がそれをやってるのを見たことがあって、「女でも出来ると知ってた」からやると決断するに至れたし、

今やってるピアノ演奏だって、コンサートホール一杯にするようなすごい演奏家にはなれなくても、レストランでポピュラーソングを演奏するようなやり方なら私にだって出来そう、むしろ楽譜を正確に弾くより耳コピ即興でそれっぽく弾く方が得意な自分ならそっちの方が合ってる、と考えたから。

要は、自分がよりよく生き延びられそうなフィールドを常に探しているってことです。今いる場所で頑張ることと、新しい道とを天秤にかけて、どちらが今の自分にとって最善で、どちらが将来の自分にとって吉となりそうか、常に測ってる。場合によっては両方を取るときもあるし、何かを切り捨てることもある。

その自分なりの様々な尺度で見た時に、不満とストレスをためて心と体に嘘をつきながら会社員として働き続けることと、収入は激減しても自分のやりたいことに挑戦してみること、当時の私にとって未来が想像できたのは後者だった。ただそれだけの話なんですよね。お金はあっても体壊しちゃったら元も子もないし。

というか、「大きい会社に居ればとりあえず将来安泰」と信じきって、思考停止しちゃってそこから動こうとしない大人たちを、そっちこそ現実見ろよ、と冷めた目で見てた時もありましたw わはは(・∀・)

現実みないと音楽家なんてやってられないよ

もちろん、私はピアノでお金を頂けるようになる、という夢をひとまず叶えましたし、もっと先の夢まで密かに胸の中で温めてたりします。夢を持つことを否定はしませんし、むしろ持てることは素晴らしいと思ってます。

ただ、それらの夢はみているだけでは実現できるものじゃないし、もっといえば現実みないと音楽家なんてやってられないよ、というのが今の私の素直な想いです。

夢を叶えるために必要なのはただ現実的な行動ですから。

なぜ私がYoutubeに動画を上げたり、ブログや心理学といった一見音楽に関係ないようなことにまで手を出しているかというと、それらが好きということは大前提にしつつ、「全てお金に繋げられそうなことだから」です。

いつもどうやったら自分のやってることがお金に繋がるか、ばっかり考えてます。だって生活するにもピアノ弾き続けるにも、お金が必要だから。

会社みたいな守ってくれる存在はいないから、全部自分で考えなくちゃいけない。

しかも、音楽家業って練習時間に対価は発生しません。何分、何時間の演奏のためにその何倍もの時間を報酬なしで費やすんですよ(これ考えてみたら当たり前なんですけど、あんまり意識されることないから割と知っといてほしい。「ちょっとこれ弾いてよー」に応えてる裏側にはそれだけ自分の労力を注ぎ込んでるんだよ!)

だからこそ、練習してようが寝てようが勝手にお金が入ってくるような仕組みが出来そうなら、出来るだけ試しておきたいんですよねー。

ちなみに、こういうマネタイズのお話をしたら「あんまりピアニストらしくない考え方してるんだねぇ」と言われたこともあります。

じゃあ逆にピアニストらしい考え方ってなんなんだYO(´д`)

まぁピアニストの一般的イメージって「音大出てるいいとこのお嬢さん」みたいなステレオタイプあるみたいなんで、しょーがないのかもしれませんが・・・(若干ひがみ入ってます笑)

まぁ、私はそんな周りのイメージの期待に添えるようなゆるふわカワイイ系ピアニストでは全くございませんので、これからも自分なりの戦略で生きる道を模索していこうと思います。

お金がなくて苦しいときもあるけど、そうやって自分の頭で考えて決められる今の生き方はすごく楽しいし、そういう生き方をしてる自分の方が昔の自分より好きです。だからいいんです(・∀・)

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