JASRACの音楽教室への使用料請求ニュースを見て思ったこと。

音楽について思うこと

JASRACの音楽教室への使用料請求ニュースに不満だらけです

JASRACがピアノ教室での演奏にも著作権料を請求することを決定した、とのニュースが話題ですね。

JASRAC、音楽教室からの著作権使用料徴収を正式決定。'18年1月1日から実施 - PHILE WEB
JASRAC、音楽教室からの著作権使用料徴収を正式決定。'18年1月1日から実施

私もピアニストという仕事をしているし、大学時代は結構大きなアカペラサークルで活動していたのでこういう話題はやっぱり気になる(´・ω・`)

最初に断っておきますが、私は作家・アーティストの権利を守ること自体はとても大切で必要なことだと思っていますが、JASRACという団体についてはぶっちゃけ嫌いな点が多いです(´д`)

嫌いだからネガティブな情報しか自分の目に映ってこないというのはあるかもしれませんが・・・けど今回の方針については「はぁ!?(゜д゜)」としか思えない。

教育に関わる機関では使用料は取らんのちゃうんか。というか、そんなに厳しく取り締まられたら迂闊に鼻歌も歌えないじゃないか。(実際、過去に「不特定多数の公衆の前での演奏にあたるから」として鼻歌うたった人に使用料請求したこともあったらしい・・・まじかよ)

とはいえ、私は法律の専門家ではないので知識もにわかだし、大学のサークルでは今もいろんなポップスが歌われている現状もあるし(自分も歌ってたしアレンジもしてたし)、難しい問題だから色々考えてたら頭がごっちゃになったりするので、今率直に思ってることを整理がてらブログ記事に起こしてみようかと思います。

もしこれきっかけでJASRACに怒られてブログの更新が止まったらmisoはヤツらに消されたと思ってください

JASRACは「著作権管理の代行」をする団体のはずでは

そもそも、著作権って何なのか。

・・・というのを説明しだすと時間がいくらあっても足りないしそもそも私そんなカンペキな説明出来ないので割愛しますが←

「著作権が失効していない楽曲を演奏・上演する場合は、権利者に使用料をきちんと支払わなくてはいけない」というのは基本だし正しいことだと思います。

(※だから、世の大学のアカペラサークルで行われている演奏行為なんかはほとんどがクロということにはなっちゃうんでしょうね。同人活動と同じく、作家さんのご厚意によって多めに見てもらっているだけということは我々も自覚しておくべきかなぁ)

(※ただ、そのそもそも著作権法の妥当性や、現行の制度は本当に実態に即しているのか、という議論は絶やすべきではないとも思う。なんせJASRACが出来てからもう80年近くになるらしいですしね)

本来だったら私たち演奏家や楽曲を使用したい人が直接アーティストさんに連絡取れればいいんですけど、それはちょっと無理があります(´・ω・`)むしろそういうコネもらえるならほしい。

なので間にJASRACが入って、膨大な数の楽曲をアーティストに代わって管理し、消費者との仲介役を果たしているという構図なんですが・・・

何がいけ好かないかっていうと、あくまで「管理を委託されている」だけの立場なのに、さも「我こそは曲の正当な権利者である。さあ、金をよこせ(^ω^)」という上から目線な姿勢がにじみ出ているところ。ちょっとこの辺に関してはどうしても怒りが先走ってしまいますすみません(´д`)

実際に声が上がっているJASRACへの不信感いろいろ

実際に管理曲を営利目的で演奏した人へ請求するならまだしも、先ほど書いたように鼻歌に使用料求めた件だとか、他にも

  • 著作権なんか存在すらしなかった1000年前の時代の雅楽を演奏した楽団に金払えと言ったりだとか(著作権あったとしても1000年だったらもう失効してる)
  • 作者不明の童謡を勝手に管理曲にして、「あ、その曲流したんだったら管理者は私らだからお金払ってね」だとか(俗にいう阪神タイガース応援歌の事件ですが古いのでソース見つからず。どっかで見かけたら貼ります)

といったことが起こっていたりして、ちょっとあまりにも横暴が過ぎるのでは?と。

【参考】雅楽奏者・岩佐堅志さんのツイート↓

そのくせ集めたお金はマージンとしてほとんど団体がかすめ取って、アーティスト側には正当な金額が回ってないという話まであるじゃないか。

【参考】シンガーソングライター・しほりさんのツイート↓

おそらく、好きな作曲家さんやアーティストさんへお金を支払うことは、そのままアーティストさんの音楽へのリスペクトや応援に繋がるから、演奏する側だって絶対に何が何でも払いたくない!なんてことはないと思うのだ。

でも肝心のお金を集めて回る団体がそんな様相だから、信用もできないしお金も出し渋りたくなるんじゃないか・・・(´・ω・`)

音楽に触れるハードルを上げてしまって、自由な音楽なんてありえるのか?

音楽を楽しむというのは、単にCDを聴くだけじゃなくて、演奏したり、仲間と一緒に歌ったり、演出として音楽をかけて場を盛り上げたり、いろんな形態が考えられると思うんです。

個人的には、もし自分が作曲者の立場だったとしたら、自分の作った音楽がそうやって人に知られて広まって、人々の心を楽しませているんだ、と感じられたら出来たらものすごく嬉しいと思います。

だから、もちろん「自分が作りましたよ」というラベルだったり、発生するもろもろの権利は守ってほしいけど、それ以上に「自分の作品を多くの人に知って楽しんでもらえること」を優先したいなと思う。あくまで私だったらの話ですけど(´・ω・`)

さらに、音楽が生まれる時ってなにも作曲者が曲を作った時に限らない。

例えばある人がビートルズを弾けるようになりたくて練習した。それを友達に聞かせてみたら一緒に歌ってくれた。何ならその人もギター持ってきて、一緒にセッションしてくれた。それを見ていた人が手拍子をする。たったそれだけで、そこには元になった曲こそ一緒だけど、また違った色の、新しいサウンドが生まれているはず。

そういう雑多で、カオスで、色んな要素が混ざりあった自由な空間からこそ生まれる音楽、というのは絶対にあると思うんです。音楽をやったことのある人ならなんとなく共感してもらえるんじゃないかなぁ。

再三ですが、作詞者、作曲者、アーティストたちの権利を守り、音楽を守っていくこと自体は大切なことだと思います。

けど、対象となる楽曲を色んな利権や規定でガチガチに縛り上げて、その楽曲に触れられるまでのハードルを高くして、箱庭の中で監視されている状況でないと楽しむことが出来ないほどまで人々から遠ざけてしまうこと、それが果たして音楽を守り、アーティストを守り、文化を推進させることに繋がるんでしょうかね?

それはあくまで「権利」しか守ってない、ただ音楽を金のダシとしか見ていないんじゃないかな、とどうしても思ってしまうのです(´・ω・`)

アーティスト側が声を上げれば何か変わるかも

まだ色々思うところはあるし、考えたいことは一杯あるんですがちょっと長くなるので今日はこの辺で。

というか、何より自分がもっと知識を身に付けないとこういう話を議論さえ出来ないのがとっても歯がゆい。悔しい(´・ω・`)

けどここ数日で、宇多田ヒカルさんをはじめ、「残酷な天使のテーゼ」の作詞者、及川眠子さんなど、ビッグネームな方が結構この話題に言及して下っています。

そうそう、JASRACの気味悪さって、こういう委託主であるアーティストが「別にいらない」って言ってるのに、その意向を無視して単独で動き回ってお金をかき集めているところなんですよねぇ・・・(´д`)

個人的にはかなり暴走している印象のJASRAC。もともとグレーゾーンが多い世界だからこそ色々幅が効かせられるのかもしれませんが・・・

歯止めをかけるには、こうやって世間の多くの人が関心を持ち、アーティスト側が自身の声で意思を発表していくことが大事なのかもしれませんね。

とりあえずもうちょっと著作権勉強しよ(´・ω・`)いつかここのブログでわかりやすく説明できるくらいにはなりたいっす。

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