自分の中の女性性への葛藤と、ピアニストという職業

音楽について思うこと

ピアニストという職業と女性性

ピアニストという仕事をしていると、自分の中の「女性性」について悩んでしまうことが度々あります。

ちょっと綺麗目なドレスで着飾って、腕を出してラウンジのピアノに向かっている姿なんか、いかにも「女性らしい」イメージをを感じるじゃないですか。

で、全部がそうとは言いませんが、お客さんやお店自体が、音楽そのものよりも「女性がピアノを演奏している画」を期待しているんだな、というのを感じてしまうことがあります。

普通の人だったらなんとも思わないのかもしれませんが、私はこれがとても嫌になることがあるんですね(´・ω・`)

自分が女であることを意識させられるのが嫌

多分嫌に思ってしまうのは、私が自分の中にある女らしさ=女性性をまだちゃんと受け入れられていないから。それだけが理由じゃないんだろうけど、絶対に大きく影響はしてる。うん。

なんというか、まだ上手く言えないんですけど、「自分が女であることを、赤の他人から不意に突きつけられる」ことに何とも言えない嫌悪感を覚えてしまうんです。たとえば衣装でちょっとミニのワンピースを着て演奏した時にお客さんからセクシーだねかわいいねぇ、って言われるとか。

もちろん「恋愛対象として見られてるっ!?」って思うわけじゃないですよ。そういうのじゃなくて、この人は私のことを「ピアニスト」ではなく「ピアノを弾いている女性」として見てるな、っていうのを感じると、なんというか下の存在、弱い存在に見られてる気分になってしまうんです(特に年配の男性と話していると多い)

その人は純粋に誉め言葉として言ってるだけの場合もあるし、真っ向から拒否するものでもないというのはわかってるので、あはは~ありがとうございます~とその場では流すんですけどね。でも心の底にちょっぴり残るもにゃっとした感情。

男性受けのいい女性でいることが、仕事で成功する条件?

雇っているお店の方も、演奏技術うんぬんよりは、そういう「女性が生演奏をしている画」を求めてるんだろうなぁ、という場所は結構あって。

そういう時って、もはや私のやってることは演奏業じゃなくて、可愛らしくてか弱い雰囲気とか、ニコニコ愛想の良い素振りとかの「一般的に受けがいい女性の役割を演じること」なんですね。

ここの一般というのは今の日本の社会。今の日本社会は男性中心なので、つまりは「男受けする女」でいることを私は仕事において求められている。私の考えすぎなのかもしれないけど、正直そう思ってしまってピアノまで一緒に嫌になることは今まで何回もありました。

ピアニストと女性らしさって切り離せないのかなぁ

私はただ純粋にピアノを弾くのが好きだからピアニストという職業を選んだけ。でもそこに、「女らしさ」というものを組み込んでいかないと生き残るのが厳しいという業界の現実。

(でもコンサートやリサイタルで活躍するピアニストには男性も多いんだよねぇ。バーやレストランで弾く世界とはまた違うのかな)

私が自分の女性性をありのまま受け入れることが出来たら、気にならなくなるんだろうか。「ピアニスト」という職業を選んでいる以上仕方のないことなんだろうか。こういうこと考えちゃう私の方がおかしいんだろうか。

でも「そういう仕事だから仕方ない」で片づけるには余りに乱暴すぎるような、何か個人的にも社会的にも重大なことが潜んでる気もして、昨日から考えることをやめることができません(´・ω・`)

というわけで、今日の記事は思考整理のための吐き出しでした。しばらくもにゃもにゃは続きそうだけど、言語化出来そうなところから少しずつやっていこう・・・(´・ω・`)

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